天誅組 ~西田を巡る冒険

銀河英雄伝説〜川中島の戦い⁉️

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本書の主役の二人。

自由惑星同盟ヤン・ウェンリー

銀河帝国ラインハルト・フォン・ローエングラム

二人の年齢差は、9歳。

後書きによると、この年齢差は、上杉謙信武田信玄の差を参考にしたという。

なるほどなと思うが、微妙な部分もある。

年齢はヤンと武田信玄が上だが、寡兵で戦略を尽くして戦うのはヤンであって、ラインハルトはむしろ横綱相撲。年上の将軍たちを従えて親方様的風格もあり。この点、ヤンが謙信で、ラインハルトが信玄っぽい。色のイメージも、ヤンが白=上杉、ラインハルト=武田が赤だ。

一方で、性格的には、沈思黙考のヤンに対し、激情のラインハルト。逆のイメージだ。

必ずしも、原典にこだわらず、二人の魅力的な個性を作ったところに作者の力量を感じる。


銀河英雄伝説〜今日的なテーマ

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正伝20巻のメインテーマは民主主義の意義だ。

衆愚政治に陥った自由惑星同盟は、上からの改革を進める銀河帝国に敗れる。

自らの配下に入れば優遇するとの皇帝の誘いをヤンは辞退する。

『人民を害する権利は、人民にしかない』と。 

暴君を選んでしまうかもしれない。だが、それも含めて、人民自身が、その責任を負う体制。それが民主主義だ。

民主主義を守って行くのは難しい。今年のアメリカ大統領選挙でも、それが浮き彫りになった。ヤンの戦いはまだまだ続くのだなと考えさせられた。





大河本

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正統派の研究者による、大河を意識した光秀本。

斎藤利三が、もともとは三好長慶の家来に仕えたいたこと。光秀につかえてからも、長曾我部の窓口として、秀吉とも交流があったことなどが、興味深い。

娘が。三代将軍家光の乳母になったことと合わせて、小説の材料になりそうだ。

歴史に影響を与えた歴史家

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さすがは磯田道史さんです。

頼山陽徳富蘇峰と並んで、歴史に影響を与えた歴史家、それが、司馬遼太郎とのことです。

昭和の悲劇の再来を避けるため、日本人は、これからも司馬遼太郎を、読み解いていく必要があると、改めて、思います。

もはや謎は無いのか?

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一次史料を重視する学者さんらしい固めの龍馬暗殺論。

犯人は見廻組。黒幕などいない。

薩摩と龍馬は廃幕で連携しており軋轢などなかったとの御説。

船中八策や新官制議定書を認めないとなるとこういう結論になるのだろうが、現実的で夢がないなあと感じます。

明智光秀 牢人医師はなぜ謀反人になったのか

謎に満ちた光秀の生涯。

この本の中でも、やはり、気になるのは、竹という人物と、光秀の妹という御妻木殿。

竹は、光秀にとって大切な人物で、越前にかくまわれていたらしい。面倒を見た服部という者に光秀は感状と100石を与えている。

御妻木殿は、信長の側室と言われているが、信長と光秀の重要なパイプ役。この本でも彼女の死が、信長と光秀の亀裂の遠因。

小林正信説では、竹=御妻木殿=足利義輝側室小侍従。いつも、この説が頭から離れない。大河もこれで行ってくれると面白いのではないだろうか。小侍従を通じて、麒麟の理想が受け継がれ、そして、挫折するなんてのは、ちょつとグッと来ないだろうか。

大河では、今のところ光秀の妹なんて出てない。御妻木殿の大河初登場はあるのだろうか。まあ、竹=(御妻木氏)=駒、服部=菊丸、でちゃんちゃんかもしれないが。御妻木氏は、伊呂波大夫かも。こつちが、安直だが、ありそうかな。