天誅組 ~西田を巡る冒険

青木弥太郎懺悔録 〜 幕末放蕩侍

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青木弥太郎。幕末の江戸を代表する放蕩旗本とは知っていたものの、なんと明治まで生き残っていて、回想録まで出していたとは。

江戸生まれの弥太郎は評定所勤めの平凡な旗本であつたが、黒船来航を機に、攘夷を唱え、軍資金集めのために御用盗を始める。集めた金が四千両。その後の稼ぎも合わせると七万両もの大金を脅し取ったという。

攘夷の志も途中から投げ出し、確信犯的に、ゆすり、用心棒、詐欺などのあげく、元治元年七月奉行所に、捕縛された。

その後。十八回の拷問にも耐えて明治元年出獄したという。

仲間として、石坂周造や村上俊五郎、新徴組の浪士たちの名前も上がっている。

江戸の志士たちの中には、青木と同類のものが多数いたのだろう。

酷い話だが、妙に明るく飄々とした語り口。味のある懺悔録だった。