天誅組 ~西田を巡る冒険

NHKスペシャル 戦国

宣教師がスペインの世界戦略として、信長や秀吉に協力して、日本や中国の征服を企んでいた。それが証拠に、長篠の合戦で使用された鉄砲玉は、タイからの輸入品。というような説が、紹介されていた。それなりに面白いのだが、詰めが甘い。信長は、長篠では、…

国取り物語 その二

時代を俯瞰、総括する司馬遼太郎の語り口。それも、後年の本題を忘れたような長々と続くものではなく、シャープに時代語りつつ、明るく前向きに時代の寵児を英雄譚の様にかたる。これは、傑作だと思います。若き日の松永久秀が、出ていたのは、忘れていた。…

国取り物語

若き日の斎藤道三。いや、今の史観では、道三の父か。寺で僧として育った松波庄九郎。油屋から、美濃の国取りをうかがう。あっけらかんとした、ストレートなストーリー。文句なしに面白い!

信長のバイブル

文庫700ページの大著。各種の学説や文献などの詳細な説明があり、ドラマを見たり、小説を読んだ時に、とても参考になる。

信長燃ゆ 下巻

朝廷が、いとも簡単に信長を成敗する。筋書きは近衛前久。光秀は単なる鉄砲玉に過ぎない。あまりにあっけない。信長と前久の蜜月と対決も、多くは、回想シーンだ。やはり、『神々に告ぐ』以降の物語を小説として読みたいと思った。光秀がもともと義輝の奉公…

信長燃ゆ

緊張感みなぎる朝廷と信長の対決。信長のみならず、前久も晴子も。登場人物全てが燃え上がっている。天正十年、日本が一番熱かった年。

明智光秀の乱〜トンでも本

数ある明智光秀についての物語や考察の中でも、もっともトンでも無い説が、この本です。明かされる光秀の正体は・・・ただし、良く検討されていて、なんだかそうかもしれないと思わせられるのがさすがである。光秀を巡る不思議な人々、ツマキ殿や竹、そして…

信長は謀略で殺されたのか

古い本てすが、読み直してみた。いろんな謀略説をまとめてきりすてた、非謀略説です。事件から400年以上が過ぎ、決め手となる新しい資料もそう簡単には出てこない。今後も各人様々な意見が出て、いろんな論争が続くのだろう。それもまた楽しい。

破天荒関白〜近衛前久

近衛前久。信長との関係は、盟友。なので、本能寺の黒幕ではない。との御説。たしかに、資料で見ても、信長との親密な関係がうかがわれる。しかし、光秀の死後、慌てて逃げ回っている姿は、怪しいとしか言いようがない。果たして、大河ドラマでは、どのよう…

蒼き信長 その四

読了。面白かった。今までに読んだ信長本でも最高かもしれない。『国取り物語』は別格として。美濃攻略までの、まだ、清々しい部分だからかもしれないが。濃姫がらみで光秀が出てくるのも楽しい。なんとなく、大河ドラマ風でもある。『信長燃ゆ』を読んだの…

蒼き信長 その三

尾張統一から、桶狭間、美濃攻略へ。読み応えのある物語が続く。概ね、信長公記に従った、固い記述。そこに、ちらりばめられた信長のひととなりを象徴する挿話。領土や家族の拡大とともに、津島の不良から人柄もどんどん成熟していく。戦の精緻な描写も見ど…

蒼き信長 その二

信秀が病に倒れ、話は急展開。信秀にうとんじられたと思い込んだ信長は、城を出奔。津島の不良の頭として、自力で、のし上がっていく。こういう展開は、これまでの小説には無く、新鮮だ。安部龍太郎のこれまでの小説ともタッチが異なり面白い。信秀が亡くな…

蒼き信長

信長の父、信秀の時代から物語は始まる。尾張内の勢力争いから、三河を巡る謀略と戦い。そして、美濃の蝮、宿敵斎藤道三との戦い。その父の背中を見て育って行く信長。物語は、丹念に織田家の勃興を描いていく。

近衛前久

古い本だか、なかなか面白い。近衛前久は、昨日の大河ドラマの予告に出ていた。『破天荒関白』と紹介されていた。のちに、信長の盟友とも好敵手ともなる人物だ。上杉謙信と関東行ったり、島津の鹿児島行ったり、本能寺の変の際は行方をくらましたり、たしか…

桶狭間!

今日の大河ドラマ:麒麟がくる は、桶狭間の合戦だった。一般に、桶狭間の合戦は、上洛途上にあつた今川義元を織田信長が立ちふさがって打ち取ったと語られているのだが、最近は、単に三河と尾張の国境紛争と考証されているらしく、大河もその説を採用してい…

坂口安吾『織田信長』

昔々、読んだよなぁと、ネットを探すと、青空文庫で、全文出てきた。坂口安吾の『織田信長』。短編小説。末尾に、(未完)とあるので、安吾晩年の作品かもしれない。完結かつシャープに、若き信長の姿が描かれていた。大蛇退治、正覚寺の道三との会見、桶狭間…

松永久秀について〜大河ドラマと小説『神々に告ぐ』

大河ドラマが人気である。久々の戦国もので、オーソドックスな作りの中に、新味を出しているのが受けているようだ。中でも、本木雅弘の斎藤道三、川口春奈の帰蝶。意外性のある役作りを、二人とも自然体で演じているのが、ハマっている。もう一人、吉田鋼太…

天誅組をメジャーにする方法

わたしは、天誅組のファンである。なので、天誅組がマイナーであることが、残念でならない。マイナーとは、日本史上、幕末史上、一般には、ほとんど知られていないということだ。そこで、何故、天誅組がマイナーなのか考えてみた。まず、結局は敗者の側にい…

江戸から来た男 天誅組外伝

天誅組西田仁兵衛は謎の男である。激戦地に墓標が立つにもかかわらず、脱出や明治を生きたうわさもある凄腕の剣客。 疾走する幕末の群像を背景に天誅組の謎を解き明かす!江戸から来た男 天誅組外伝https://jmty.jp/s/tokyo/sale-boo/article-hsfwf

【番外小説】 龍馬暗殺

龍馬暗殺 壱 龍馬モノローグ 慶応3年11月。京。早朝。 河原町通り蛸薬師の、酢屋の店先に、大男が現れる。 くたびれた着物。桔梗紋。革靴。 大きく伸びをして、通りを眺めわたし、肩をゆすって歩き出す。 坂本龍馬である。 大政奉還は先月の14日。もう、半月…

天誅組外伝 文庫化

文庫本 天誅組外伝 「mybooks.jp」という、ブログを本にするサービスがあります。 このサービスで、「江戸から来た男 小説天誅組外伝」を文庫本にしてみました。 非常に簡単な操作で、ダウンロードと編集が可能で、簡単に発注が可能です。 10営業…

天誅組余話  西田を巡る冒険

あとがきです。 天誅組を巡る様々な情報や思索。これらをもとに、土方歳三が天誅組に潜入させた間者である神代仁之助が、西田仁兵衛と名乗って天誅組で活躍するという小説を書き始めていました。 わかっているわずかな神代の過去。下獄していたらしいこと等…

江戸から来た男 小説天誅組外伝(その十三)

翌朝、仁は、十津川郷士との最後の交渉に行くという乾十郎と伴林光平(ともはやしみつひら)の護衛として、風屋(かぜや)村に向かった。伴林は大和の国学者で歌人。天誅組では記録方。なぜか、平岡鳩平(ひらおかきゅうへい)もついてきていた。法隆寺の寺侍で、…

天誅組余話 西田仁兵衛と神代仁之助

謎の男、西田仁兵衛稲夫。脱出したのか戦死したのか。一体誰だったのか。記録ではよくわかりません。わかっているのは、江戸の生まれということのみ。 何か事情があったのか。名前を隠して参加していたのか。それは何故なのか。間者なのか。だとすると、誰が…

天誅組余話  新撰組 神代仁之助という男

神代仁之助(かみしろじんのすけ)を私は、新撰組全史という本から見つけました。ただ、西田や天保と比較し、その名前はよほど知られています。なぜなら、新撰組(正確に言うとその前身である壬生浪士組)の初期のメンバーの一人であったからです。例えば、…

江戸から来た男 小説天誅組外伝(その十)

参 葛藤 天誅組挙兵の三日前、文久三年八月十四日。京、聖護院(しょうごいん)。 仁は、土方歳三と酒を飲んでいた。 土方歳三、二十八歳。壬生浪士組副長。新撰組という隊名は、まだ無い。 仁。神代仁之助(かみしろじんのすけ)、二十五歳。 「仁さん。手紙は…

天誅組余話  天誅組 天保高殿という男

天誅組のもう一人の謎の男の話です。 その名は天保高殿。この男については、さらに記録がありません。 大和日記の異本の一つにようやく天保の名前を発見しました。加盟者としての名前のみです。 「追々馳加わる」者の一人として、「水戸藩岡見留次郎 天保高…

天誅組余話 天誅組 西田仁兵衛という男

天誅組には、たくさんの謎の男達が参加していました。その中でも、最も謎めいた男が、西田仁兵衛です。 小説の冒頭にも記載していますが、この男には奈良県東吉野村に墓標があり、この地で戦死したとされています。しかし、明治になって生き残っていたよう…

江戸から来た男 小説天誅組外伝(その五)

仁も、敗走した。 あの大軍があれよあれよという間に、すっかり遁走してしまった。あとを追いながら、何度もため息をついた。また、うまくいかなかったかと。 田んぼのあぜ道に座り込む。すっかり刈り取られてのどかな風景が広がっている。吉野の山々が遠く…

江戸から来た男 小説天誅組外伝(その四)

翌日、八月十九日、前日の京での政変が伝えられた。会津と薩摩の提携により、長州藩は失脚。大和行幸は中止となった。大和行幸を契機に義軍を立ち上げ、長州や諸藩の協力を得て、討幕を果たすという天誅組の企ては挙兵二日目にしてついえてしまった。 しかし…